- 闇転 - <1>2007/09/21更新   <2>2007/09/24更新



<1>

「まどかちゃん、大丈夫?」
「う…うん 平気だよ」
「ゴメンまどか… あたしがドジったから
  まどかに余計な力を使わせちゃった… ホントにゴメン…」
「そんなことないよ、気にしないで千鶴ちゃん…」

膝を落としている赤と白の巫女装束を纏った少女のもとに
白の道着と黒の袴に胸当てを付けた少女と白い胴着と袴を着けた少女が駆け寄る。
2人の手にはそれぞれの得物、弓と木刀が握られていた。

「けど、最近の黒邪道は少しヘンだよ。
  毎日のように現れて、少し戦っただけで引き上げてしまう。
   わたしと千鶴ちゃんは体力勝負な部分が大きいから
    寝ればほとんど回復するけど、まどかちゃんの力は…」
「ホント、ホントに大丈夫だから気にしないで 唯ちゃん」
「黒邪道の狙いはそれかも、まどかの力を消耗させることなのかも」
「それはあるかも まどかちゃんの力がなければ、わたしたちは…」
「そんなことないよ… 考えすぎだって…」

よろけながら立ち上がったまどかを支えて3人の少女は深夜の公園をあとにした。

「そろそろのようね ウフッ…ウフフフ…」

黒い忍び装束に黒い夜叉の面を着けた女が
公園を立ち去る3人の後姿を見つめてほくそ笑んでいた。




古より闇の力でこの国を支配しようと企てる黒邪道と戦う戦士たち。
その戦士の末裔である3人、神宮まどか、神代千鶴、神谷唯は
元締めと呼ばれる老婆が理事長を務める私立高校に通いながら黒邪道と戦っていた。

「まどかちゃん ホントに大丈夫?」
「今日は休んだほうがいいよ。 顔、青いよ…」
「大丈夫…」
「まどかちゃんの神通力がないと、わたしと千鶴ちゃんの力だけでは
  黒夜叉のクノイチ軍団に太刀打ちできないよ」
「それにこれは元締めの命令だよ、まどか」
「けど 辛いのは千鶴ちゃんも唯ちゃんも一緒だし もし、黒夜叉が襲ってきたら…」
「昼間は黒夜叉も襲ってこない。 あいつは幽霊みたいな奴だって元締めも言ってたし」
「けど…」
「ダメよ まどかちゃん! 元締めの命令に背いては」

3人の世話役として一緒に暮らしている天根渚が3人のあとを追って来た。

「ハ〜イ まどかちゃんは部屋に帰って休む休む。
  ほら、千鶴ちゃんと唯ちゃんは急がないと遅刻するぞ!」
「うわっ、ヤバッ!! 渚さん、まどかのことお願いします」
「ハイハ〜イ、いってらっしゃ〜い」

渚は同じくらいの体格をしているまどかを軽々と背負うと
千鶴と唯の姿が見えなくなるまで、その場を動かず見送っていた。



「ハ〜イ まどかちゃん、これ飲んで」
「渚さん これは?」

部屋のベッドで寝ているまどかに、渚が水と数粒の黒い薬を持ってきた。

「力を回復するための薬。
  元締めには使うなって言われてるけど、まどかちゃん辛そうだから、少しだけ…ね」
「元締めの命令に背いていいんですか?」
「回復って言っても、ほんの少しだから。
  神通力と言ってもね、力を蓄えておく器みたいなものがあるの。
   その器が空っぽになると、いまのまどかちゃんのように体力も低下して
    力が回復するまでに時間がかかるの。力の成長を妨げるから、たくさんあげられないけど
     これ位なら回復の切欠を作るだけだから大丈夫、体も楽になるわよ」
「ありがとう…渚さん」
「それを飲んで、少し眠ると楽になるわ」
「はい」

まどかは渚から渡された薬を口に入れて水で流し込んだ。
その様子を冷たく微笑み見ている渚から溢れ出る黒い力に衰弱したまどかが気付くことはなく
渚の冷たい眼差しに見守られながら、まどかは深い眠りに落ちた。

「ウフフフ… よくやったわ、渚」
「お…お言いつけどおり… まどかちゃんを…騙して…
  薬を…薬を…飲ませ…ました……黒夜叉さまぁ…」

まどかの部屋は漆黒の闇に包まれ、そこは別の空間へと変わった。

「アフン…ウフン……ご褒美を…もっと蟲を…蟲を入れて…下さい…」

渚はショーツを脱いで、お尻を黒夜叉に向けて突き出していた。

「ウフフフ… 20年前、お前を殺さずに蟲をつけて逃がしておいて正解だったわ」
「ンフゥ…ンフゥ……お願い…します…… 黒夜叉さまぁ…蟲を…蟲を…下さい…」

20年前、将来を有望視されていた渚は元締めの助手として、黒夜叉との戦いの場に赴いた。
だが戦いの最中、黒夜叉に捕らえられた渚は、戦士としての力を奪われ
子宮に夜叉隷蟲(ヤシャレイチュウ)と呼ばれる、人を黒夜叉のシモベ、クノイチに変える手足の生えた
黒いオタマジャクシのような蟲の卵を植えつけられて開放されていた。

植えつけられた卵は、黒夜叉の黒い力で自由に孵化させることができ
孵化した夜叉隷蟲は数日で宿主の体と同化し、宿主の体を黒く染める。
夜叉隷蟲は同化が完了するまでのあいだ、体表から強力な催淫物質を分泌して
宿主に至極の快楽を与え、理性と判断力を奪う。
夜叉隷蟲の同化が進むと快楽は薄れてゆき、至極の快楽を忘れられない宿主は
夜叉隷蟲を欲し、黒夜叉の命令に従うようになる。
そして宿主の全身が夜叉隷蟲に黒く染められると
宿主は黒夜叉の従順なシモベ、クノイチへと生まれ変わってしまう。


1週間前の夜、渚が3人の世話役になっていることを知った黒夜叉は
渚を黒い空間に引き摺り込み、子宮に植えつけた夜叉隷蟲の卵を孵化させて
渚を自分の手駒に変えていた。

「ウフフ… あの老婆も、お前が私の手駒になっていることに、まだ気付いていないようね」

お尻を突き出している渚の下半身は黒のストッキングを着けているかのように
真っ黒に染まり、クノイチたちと同じヌメヌメした妖しい輝きを帯びている。

「…蟲を…黒夜叉さまぁ…蟲を…挿れて下さい……」
「これで何匹目になるのかしら…
  普通の女たちなら、とっくにクノイチになっているわよ」

黒夜叉は自分の陰部に指を挿れて、苦渋に満ちた表情を浮かべると
クチュクチュと淫靡な音をたて、黒い卵を生み出した。

「クフゥ… 一刻も早く、力の源を作らないと… 私の力が涸れてしまう…」

手の平に載せた卵を孵化させながら
黒夜叉は黒い寝台の上で、黒い霧に包まれて眠るまどかを見やった。

「フウゥ… さっき飲ませた黒邪丸で、この娘の力は黒く染まる。
   力を使えば使うほど、この娘の力は黒邪道に染まる。
    そして器が黒い力で満たされたとき、この娘は… ウフフ…」

黒夜叉が夜叉隷蟲を渚の陰部に近づけると蟲は
勢いよく秘裂に頭を突っ込み、短い手足をバタバタさせて渚の陰部に潜り込んだ。

「ヒャアァァ… キモチイイ… もっと奥まで…きてェェ…」
「ウフフ… 20年前は失敗して、お前を私の物にできなかったけど…」

だらしなく開いた口から涎を垂らして、渚は胸や陰部を弄りはじめていた。

「ハヘェ……アヘェ…アヘアヘッ…」
「フフフ… あのときは私に噛みついて抵抗していたのに… いい堕落ぶりよ」

黒夜叉はまどかの傍らに腰掛けて、まどかの額に手をかざした。

「ウフフフ… もう黒い力が芽生えはじめている… 思った通りね。
  無理やり力を奪うのではなく、全ての力を出し尽くさせて
   空っぽになった器に新しい力の火を灯す… ウフッ…ウフフフ…」

黒夜叉は渚を自分の物にする為に、全ての力を奪い
代わりに黒邪道の力を与えて、渚を黒邪道に取り込もうとして失敗した。
そしていま、渚の代わりとして、まどかを黒邪道に取り込もうとしていた。


懐から黒い夜叉面を取り出した黒夜叉はその面をまどかの顔に被せた。

「これは紅夜叉の面 お前の力の器が黒い力で満たされたとき
  この面がお前を黒邪道の巫女、紅夜叉に変える。
   紅夜叉となったお前は未来永劫、私と共に生き、私の力となるのよ」

まどかに被せた面の唇に自分の面の唇を重ね合わせると
まどかの面の唇が紅に染まり、面はまどかの顔に染み込んで消えてしまった。

「あとはお前に力を使わせるだけ…
  ウフフフ… 今夜もいつものように遊びましょうね
   きっと、昨日までとは違う、何かを感じると思うわよ… ウフフフ…」

まどかの頬を優しく撫でて、涎と淫液でドロドロになって這いつくばっている渚に歩み寄った。

「渚 夜、まどかが出掛けるときに忘れず黒邪丸を飲ませるのよ」
「ふぁい… くろやしゃさまの… おことばのままに…」

黒夜叉の姿が消え、元に戻った部屋で、まどかは心地よい寝息をたて
渚はベッドの横で黒いお尻を突き上げて痙攣していた。





<2>

まどかが本来持つ力の回復と共に
黒い力は生み出され、確実にまどかの力の器を満たしていった。


そしてまどかが紅夜叉の面を被されて6日たった日の夜
黒夜叉の力を感じた3人は夜の学校にいた。

「毎日毎日、黒夜叉は何を考えているのよ!」
「まどかちゃん、大丈夫?」
「うん 平気だよ。 なんだか最近、力がわいてくるような感じがするの」

嬉しそうに話をするまどかを千鶴と唯は心配そうに見つめた。
これまでならば、力を使い続けると弱まっていたまどかの力が
力を使うたびに力強く、強大になっていることに気付いていた。

「なんかさ、最近のまどかの力が」
「平気なら いいんだよね 千鶴ちゃん」

千鶴が唯と2人だけで話していたことを
まどかに話しそうになったので、唯は慌てて話を遮った。

「エッ… あ、あぁ」
「?? なに? 2人とも少しヘン」
「千鶴ちゃんはまどかちゃんが元気になって良かったって」
「ふぅぅん… ま、いいけどさ 黒夜叉は学校で何をするつもりだろう…
  あっ、いた! クノイチよ!!」

ガラスを割って校舎に忍び込もうとしていた数人のクノイチが
まどかの声に振り向くと体を低くして駆け寄って来る。

「うそ、どうしてよ? いつもは逃げるのに今日は仕掛けてきた」
「関係ない、いくよ!!」

千鶴が数歩前に踏み出して木刀を構えるとその刀身が青白く光を帯び
その少し後方で白い光に包まれた矢を弓につがえた唯がクノイチに狙いを定めた。

「唯ちゃん、千鶴ちゃん、いい? 全部の動き止めるね」

まどかが手の平を合わせて合掌していた手を
突進してくるクノイチたちに向けると白く輝いた。
すると前衛の千鶴まであと数歩の所まで近づいたクノイチたちが
白い光の柱に捕らえられピタリと止まった。

「いいタイミングよ まどか」
「いきます!!」

光の柱に捕まり、闇の力を無力化されて棒立ちになっているクノイチを
白い光の矢が射抜き、刃が袈裟懸けに切り捨てる……はずだった。

「うそっ! クノイチが!!   ま、まど…か?」
「まどかちゃん、どうかしたの!!   まどか…ちゃん?」

光の柱が消滅して動き出したクノイチの刃を辛うじて受け止めた千鶴と
千鶴に飛び掛ったクノイチに射掛けて退かせた唯がまどかを見やる。

手を前にかざしたまま呆然と立っているまどかの全身は
黒い陽炎のような何かで包み込まれ、手の平の淡い青白い輝きが異質な黒に変わり
まどかの手が黒い手袋を嵌めたように黒く染まりはじめる。

僅かに残されていた力を使い果たしたまどかの器は完全に黒い力で満たされ
それと同時に紅夜叉の面がまどかを異形の者へと目覚めさせようとしていた。


「どうしたの まどか!!」
「まどかちゃん!!」
「唯…ちゃん…千鶴…ちゃん………わからない…どうしてかわからないけど…
  …体が……熱い…熱いよ……わたしの…中に…なかにね…」

黒く染まった手でまどかが巫女装束の胸元を大きく開くと
胸もヌメヌメした黒い輝きで染められ、尖りをくっきりと浮かび上がらせていた。

「まど…か… おい! まどか、しっかりしろ!!」
「千鶴…ちゃん…… わたしね…とってもキモチいいの……」
「まどかちゃん… ヘン…だよ、いつものまどかちゃんじゃないよ…」
「唯…ちゃ…… 力が…力が溢れてくるの… それ…がね… とってもいいキモチなの…」

戦っていたクノイチのことを忘れ
2人は妖しく変わってゆくまどかをただ見つめていた。

「ち…千鶴ちゃん… まどかちゃんの体…あの黒い体… あれってクノイチと同じ…」
「バカなこと言わないでよ! そんなこと… そんなことあるハズないじゃない…」

震えた声で千鶴は唯の言葉を否定した。

「…すごいよ…力が…わたしの力が……違う…この力は……この素敵な力はいったい…」
「思っていたよりも早く 黒邪道の力に目覚めたようね」

妖艶な聞き覚えのある声とともに、まどかの背後で黒い霧が人の姿を形作り
それは黒夜叉へと変わった。

「く、黒夜叉! まどかちゃん逃げて!!」
「まどかが黒邪道の力に目覚めたってどう言うことよ 黒夜叉!!」
「この力が… わたしを真っ黒にするこの力が…
  クスッ… クスクス… …ステキ… これが黒邪道の力…」

まどかの眼が狂喜に染まり、黒く染まった手を見つめて邪悪な笑みを浮かべた。

「まさか! 黒夜叉、あなたは最初からまどかちゃんを黒邪道に取り込むために…」
「ウフフフ…」

黒夜叉が2人を見やりながら、まどかに後ろから抱きつき、巫女装束を脱がせると
まどかの首から下のすべてがクノイチたちと同じように黒の光沢で覆われ、妖しく輝いていた。

「どう? 私があげた黒邪道の力は…」

黒夜叉がまどかに顔を近づけて耳元で囁くと、まどかは黒夜叉に体を預けるように寄り添った。

「はい…とても素晴らしいです… この力……    黒邪道繁栄の為にお役立て下さい」

まどかはうっとりと陶酔した眼で流し目に黒夜叉を見やった。

「ちょ、ちょっとまどか! なに言ってるの!!」
「そうですよ、まどかちゃん 黒邪道はわたしたちが命を懸けて…」
「うるさい!!」

まどかの口から出た裏切りの言葉に千鶴と唯が声を荒げると
まどかは恐ろしく冷たい眼で千鶴と唯を睨みつけた。

「まどか… いえ、私の可愛い紅夜叉 生まれ変わった貴女の力を私に見せて頂戴」
「はい 黒夜叉さ… 黒夜叉お姉様」
「お、お姉様? ウフフフ…面白い娘ね いいわ、紅夜叉の好きになさい」
「ありがとうございます。 黒夜叉お姉様」

嬉しそうに答えるまどかの唇が紅に染まり、優しく微笑んでいる顔が数日前に
被された紅夜叉の面で覆われると、黒い体は闇色の巫女装束に包み込まれた。

「私は黒邪道の巫女、紅夜叉」
「ま、まどか… 本気なのか… ホントに黒邪道に…」

千鶴は苦渋の色を浮かべながら木刀を構え直した。

「ちょ、ちょっと千鶴ちゃん どうして! あれはまどかちゃんなのよ」
「唯! 冷静にまどかの姿をみてみろ!!  まどかはもう…
  本気で倒しに行かないとこっちが殺られるよ!!」
「けど!! あれは…あれはまどかちゃんだよ…」

唯は弓に矢をつがえただけで構えようとしない。

「さすがだね千鶴ちゃん、けど手加減しないよ  唯ちゃんは戦わないの?」

言葉が終わる前に、まどかの手の平は千鶴と唯に向けられ
2人は黒い光の柱に捕まり、身動きできなくなっていた。

「ぐわっ! か、体が… き、きつい…」
「うぐぅ… まどか…ちゃん……わたしたちは…なかま……きゃあぁぁ…」

柱の黒が濃くなり、2人をキツく絞めあげる。

「ウフフ… 殺さないでね、紅夜叉 その2人にはやって貰いたい事があるから…」
「はい 黒夜叉お姉様」

黒夜叉の言葉に従順に従った紅夜叉が黒夜叉に近づき寄り添うと
背後の闇から微かに声が聞こえてきた。

「蟲… 蟲を下さい… 黒夜叉さまの…お言いつけどおりに…… だから蟲を…」
「な、渚さん?」
「渚さんが…クノイチに… うそ…ですよね…」

体と顔の半分がクノイチと化した渚がヨロヨロと黒夜叉たちの前に跪き、だらしない顔で見上げた。

「渚は貴女を目覚めさせる為によく働いてくれたわ。
  これに貴女の力を注ぎ込んで、クノイチにしてあげなさい」

陰部に指を挿れるとクチュクチュと淫らな音をたて、黒い卵を取り出すと紅夜叉の手に渡した。

「はい 黒夜叉お姉様」

受け取った卵を乗せた紅夜叉の手が黒く輝き、夜叉隷蟲はすぐに孵化した。

「クスクス… 可愛い…」

紅夜叉は孵化させた夜叉隷蟲に口付けをして
さらに力を注ぎ込むと蟲は紅に変色し、ひと回り大きくなった。

「渚さん、ありがとう これは私を黒邪道に目覚めさせてくれたお礼よ。
  これからは黒邪道のために、一緒に働きましょうね」

蟲を見た渚は黒いお尻を2人の夜叉に向けて突き上げていた。
紅夜叉が紅の夜叉隷蟲を指で拡げられた渚の秘裂に落とすと
蟲は勢いよく渚の陰部に潜り込んでいった。

「うふぅ…あはぁぁ… 大きい…裂けそうなくらい大きいのに…痛くない…
  あふぁぁぁ… すごい……あはぁ………あはっ…………はっ……………」

惚けた顔で声をあげていた渚の顔から表情が消え
残されていた顔の半分も黒で覆われ、クノイチと同じ姿になると唇だけが深紅に染まった。

「紅夜叉 お願いがあるの… 私に力を… 貴女の力を少しだけ分けて欲しいの…」
「えっ? 黒夜叉お姉様…もしかして、さっきの卵をお生みになるときに力を…
  これからはいつでも仰って下さいね…黒夜叉お姉様… ンムフ…」

黒夜叉の唇に紅夜叉が紅の唇を重ね合わせた。

「うそだ… まどかだけじゃなく…渚さんまで… ホントにもう、まどかじゃなくなったのか…」
「まどかちゃん…渚さん… どうして…」

変わり果てたまどかと渚の姿を千鶴と唯は
黒い光の中から呆然と見ていることしか出来なかった。

「ンフ… いかがですか? 黒夜叉お姉様」

紅夜叉が重ねていた唇をずらして優しく黒夜叉の耳元で囁いた。

「ありがとう もう十分よ 紅夜叉」

全身から禍々しい力を放ち、力の復活を確認した黒夜叉は
紅夜叉の肩を抱いて黒い光の柱に捕らえられている千鶴と唯の前に歩み寄った。

「まどかちゃん わたしたちのこと、忘れちゃったの…」
「まどか! 一緒に黒邪道を倒すんじゃなかったのか!!」
「覚えてるよ、唯ちゃん  千鶴ちゃんはうるさいし…」
「カハッ……ウグワァァァ…」

柱の黒が増した千鶴が苦悶の声を漏らした。

「黒邪道の力を黒邪道繁栄の為に使う 道理にかなってると思うけど…違ってる?」
「止めて、まどかちゃん 千鶴ちゃんが死んじゃう…  わたしたちが戦うなんて…おかしいよ…」
「大丈夫だよ、殺したりしないよ
  黒夜叉お姉様は2人にはやって貰いたい事があるって…
   だから唯ちゃんたちも渚さんと同じようにクノイチになるんだよ」
「ウフフ… 紅夜叉、同じような物だけど少し違うわ。
  その娘たちには煩わしい戦士たちを屠る『刺客』になって貰うつもりよ」
「わたしたちを刺客にする? 黒夜叉なにを企んでるいの…」
「グギィィ… お前たちの… いいようには… ならない… カハッ…」
「ウフフフ… 貴女たちを私と紅夜叉の傀儡にしてあげるわ。
  そして、老婆たちの元に返してあげる。 ウフフ…」
「わたしたちに元締めを… イヤよ、わたしたちはあなたの傀儡になどならない!!」
「それはどうかしらね… ウフフフフ…」

話しながら陰部に指を挿れていた黒夜叉が2個の黒い卵を生み出した。

「紅夜叉 この子たちを美しい成虫にしてあげて」
「クス… はい、黒夜叉お姉様」

紅夜叉は卵を1つ取り上げて両手で包み込むように持つと紅い力を注ぎ込んだ。

「ハッ…ハッ…ハッ……まど…か… 目を醒まして…お願い…」

柱の力が弱くなり、苦痛から開放された千鶴が涙を流し語りかける。

「クスクス… 少しだけ待ってね 千鶴ちゃん
  2人を黒邪道の傀儡にする綺麗な成虫を孵してあげるから… クスクス…」
「まどか…ちゃん…」

まどかの見せた反応は千鶴と唯にとっては絶望的なモノだった。


程なくすると紅夜叉の手から1羽の蝶に似た生物が飛び立った。
黒と紅の羽を持つその生物『蝶』はフワフワと羽ばたき、2本の黒い柱の周りを旋回する。

「どっちから私たちの傀儡になるのかしら ウフフ…」

蝶は唯が捕らえられている柱の周りだけを旋回しはじめ
しばらくすると柱の中に侵入していった。

「イヤ…来ないで… わたしに止まらないで… イヤ…イヤイヤ…イヤ!!」

体を動かすことが出来ない唯の顔の前で蝶は羽ばたき留まると
恐怖で涙を流す唯の顔に止まり、目元を覆うアイマスクのように唯の顔に貼り憑いた。

「イヤ、イヤァァァ!! たすけギィ…イッ…アギ……ウギャァァァ」
「唯!!  まどか、止めて、止めさせてぇ!!」

蝶のマスクを着けたようだった唯の顔はすぐに元に戻り
同時に唯を捕らえていた柱も消滅したが、唯はうなだれたまま佇んでいた。

「唯、大丈夫か唯、唯!!」

千鶴が必死に呼びかけにも唯はピクリとも反応しない。

「クスクス… 千鶴ちゃんの成虫も孵ったよ ほらっ」

紅夜叉は手の中から黒と紅の羽を持つ蝶を羽ばたかせると唯に歩み寄った。

「唯ちゃん、気分はどう? 私たちの傀儡になった気分は?」
「はい… 紅夜叉様… 黒夜叉様と紅夜叉様の傀儡にして頂けて… とても幸せです…」

顔を上げて抑揚のない口調で話す唯の眼は死者のように濁り、見開かれたままだった。

「クスクス… これからは黒夜叉お姉様と私の命令だけに従うのよ」
「はい… 黒夜叉様… 紅夜叉様… 何なりとお申し付け下さい…」
「おい 唯 冗談だろ…唯!!」
「ウフフフ… その『蝶』は貴女たちと同化して心だけを奪う。
  貴女たちの姿、特殊な能力、知識と言った全てを残したまま、貴女たちを傀儡に変えるの」

話をしていると、いつの間にか蝶は千鶴の目の前で羽ばたき
唯のときと同じように、顔に止まろうとしていた。

「や、やめろ! 来るな、わたしに取り憑くな、やめろぉ!!」

蝶は言葉だけで抗う千鶴の目元に止まると覆うよう貼り憑いた。

「イヤだ…イヤだイヤだ!! 取って、お願い取ってぇ!!
  何でもします、どんな命令にも従います だからアグギィ…アガァ…アガァ…アガァァァァ」

千鶴の顔に貼り憑いた蝶もすぐに同化を完了し、柱から開放された千鶴もうなだれたまま佇んでいた。

「クスクス… 千鶴ちゃんも気分はどう?」
「はい… 紅夜叉様… とてもいい気持ちです…」

顔を上げて抑揚のない口調で話す千鶴の眼も死者のように濁り、見開かれていた。









「「黒夜叉様… 紅夜叉様… ただいま戻りました…」」

千鶴と唯が紅い唇をしたクノイチに誘われ
寄り添うように腰掛けている黒夜叉と紅夜叉の前に跪いた。
2人の前に、たった今行ってきたことの証しが並べられている。

「ウフフフ… 残りの元締め衆2人の首に間違いないわ これで元締め衆4人全員を葬った。
  残された戦士たちは烏合の衆も同然ということ… ウフッ…ウフフ…」
「スゴイね 千鶴ちゃん、唯ちゃん」
「「ありがとうございます… 紅夜叉様…」」
「黒夜叉お姉様 千鶴ちゃんたちのご褒美に蟲をあげても…」

紅夜叉は黒夜叉の唇に自身の唇を重ね合わせた。

「…いいですよね」
「ウフフ… そうね、この娘たちの役目も終わった事だし、2人をクノイチに」
「ホントですか、黒夜叉お姉様!」
「エッ、エェ… どうかしたの? 紅夜叉」
「ううん、千鶴ちゃんと唯ちゃんも、黒い綺麗な体が似合うだろうなって… クスクス…」
「ウフフフ… 紅夜叉ったら…」

黒夜叉が腰掛けたまま股を開くと紅夜叉は黒夜叉に重なり
口付けしながらクチュクチュと黒夜叉の陰部に指を挿れて愛撫をはじめた。

「ンッ…ンフン… クフゥ…紅夜叉…どんどん上手くなって…」
「ンチュ… クスクス…黒夜叉お姉様の悦びは私の悦びですから… クスッ…
  千鶴ちゃん、唯ちゃん ご褒美の蟲よ…」

黒夜叉の陰部から取り出された卵はすでに夜叉隷蟲に孵化していた。

「「ありがとうございます… 黒夜叉様… 紅夜叉様…」」

2人は胴衣と袴を脱ぐとお尻を紅夜叉に向けて突き上げた。

「これで千鶴ちゃんと唯ちゃんもクノイチになれるよ… クスクス…」

指で拡げて待っている2人の陰部に紅夜叉は蟲を落とし入れた。

「いま挿れた夜叉隷蟲にはたっぷりと私の力を与えておいたから……
  クスクス… 千鶴ちゃんと唯ちゃんの…真っ黒に変わってきたよ…」

お尻を突き出したまま腰をクネらせている2人の秘裂が
黒いヌメヌメした輝きを帯びはじめていた。



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